教育の3つの方針
policy
デザイン研究科博士後期課程のアドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーについてご紹介しています。
アドミッション・ポリシー
教育・研究の理念
博士後期課程の教育・研究の理念は、人間重視を根幹とした高度な教育・研究を実践し、「知と創造の拠点」として地域からの負託に応え、高度の専門知識・技術を基盤に地域社会の発展に寄与することです。さらに、高度で先進的な教育・研究の中枢機関として機能し、新たな理論構築や技術開発に独創的に取り組み、新たな社会価値の創造を図ります。
教育・研究の目的
博士後期課程の教育・研究の目的は、地域社会に内在する様々な課題をデザインの視点から幅広く発見するとともに、一層高度な教育・研究の成果を通じて、その解決策を見い出し、より豊かな人間生活や地域社会の実現に貢献できる人材を育成することです。
求める学生像
博士後期課程の教育・研究の理念及び目的を達成するために、本課程が求める学生像は次のとおりです。
- 柔軟な思考と独創的な視点に立って地域課題を発見・明確化し、その課題解決に向けて旺盛な探究心を持って自立した研究を遂行し、指導的立場で成果を地域社会に広く発信できる専門家を目指す人。
- 豊かな感性と深い見識を持ち、高度な教育・研究による成果をもとにデザインの発展に貢献しようとする高い意識を有する人。
- 既成の概念にとらわれず、自立して独自のデザイン理論構築や技術開発に取り組み、新たな社会価値の創造を目指す意欲と実行力を有する人。
入学者選抜の基本方針
博士後期課程では、国籍を問わず、修士の学位又は専門職学位などを有するまたは取得見込みの者でデザイン分野の博士(デザイン学)の学位を取得しようとする者を以下の入学試験で選抜します。
- 人間空間デザイン分野(建築デザイン、環境デザイン、地域コミュニケーションデザイン(まちづくり)等)、人間情報デザイン分野(情報デザイン、プロダクトデザイン、インタラクションデザイン等)のいずれかの分野における修士と同等の専門知識及び研究能力を評価する。
- 専門分野に関連する学術論文や博士後期課程の博士論文等を執筆できる論理構成能力を評価する。
- 研究推進に必要な専門知識及び技術の修得のための情報収集及びコミュニケーションを可能とする語学力(英語)を評価する。
入学者選抜方法
博士後期課程の選抜試験では、面接(修士論文等の入学前の研究成果・研究計画書に基づくプレゼンテーション、口頭試問を含む)によって研究計画の妥当性及び水準、出願時までの研究業績、専門知識・能力、研究意欲・社会性等を総合的に評価し、その結果及び提出書類の内容を総合的に判定して入学者を選抜します。
カリキュラム・ポリシー
博士後期課程では、本課程が掲げる理念・目的のもと教育・研究活動を展開し、ディプロマ・ポリシーに示した能力を有する人材を育成するため、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程の編成方針
- 体系的・組織的な教育研究指導を意図した教育課程とする。
- 専門分野に関連する知識や技術、論文執筆能力を一貫して修得するために、体系的・組織的な教育研究指導を意図した教育課程とする。
- 人間空間デザイン分野、人間情報デザイン分野の2つの分野を設け、「課題発見・分析・解決能力」「研究遂行能力」「調整力」「指導力」といったデザイン学研究を自律的に推し進める総合能力を修得する授業科目を配置する。
- 地域社会に内在する様々な課題をデザインの視点から発見・解決するために、コースワークがリサーチワークの基礎となるようデザインの学術的・社会的意義を追求し、地域課題の先駆的事例をテーマとした横断的実践教育を通して幅広い視野でものごとを探求する能力を養う教育課程とする。
- 専門分野における新規性のある知見を導きだし、「博士論文」としてまとめられる人材育成を目指した教育課程とする。
教育内容・方法の実施方針
- 科目は、「基本科目」・「展開科目」・「研究指導科目」の3つに区分して実施する。
- 専門分野に関連する知識や技術、論文執筆能力を一貫して修得するために、体系的・組織的な教育研究指導を意図した教育課程とする。
- 「基本科目」では、修士教育を基礎として、デザイン研究を推進するための複眼的思考能力や社会を俯瞰する広い視野の涵養を目指す。「展開科目」は、人間空間デザイン分野では建築史、建築設計・意匠、都市計画、建築環境、社会システム等、人間情報デザイン分野では人間工学、感性評価、感性インタラクション、形状情報設計、視覚認知等の、専門分野を対象とした理論修得や研究手法の修得を目指す。
- 「研究指導科目」では、主・副指導教員のもとで、博士(デザイン学)の学位取得までの一貫性のある指導を行い、対外的な研究発表や論文投稿を課すとともに、研究計画書審査会や中間発表会を開催し、博士論文提出資格を満たすために研究の指導及び推進を図る。
- 社会人学生のために、昼夜開講制と長期履修制を実施することで、多様な学び方に対応した学修を可能とする。
学修成果の評価方法
- 学修成果の評価は、本研究科で定める成績評価に関する基準に基づき、あらかじめ授業計画(シラバス)に示された「科目のねらい」「到達目標」に則した「成績評価基準と方法」に基づいて実施する。
- 各科目では、主体的な学習意欲、論理的思考力、判断力、表現力、協調性等についてシラバスに定める厳格な学修評価を行う。
- 講義科目及び演習科目は15時間1単位として単位認定を行う。
- 博士特別研究(研究指導科目)における研究計画書審査会は、主指導教員・所属分野の教員・所属分野外の教員3名による審査員が審査基準(①研究テーマの新規性・学術的価値、②先行研究の調査、③研究目的の明確さ、④研究方法の妥当性)に基づいて評価する。
- 博士論文予備審査会は、研究計画書審査会、中間発表会(第1回公開発表会)を経て予備審査申請者を対象にプレゼンテーションと口頭試問により審査する。
- 博士論文審査会は、予備審査会の合格者で博士論文審査を申請した者を対象にプレゼンテーションと口頭試問による審査を行い、博士論文最終試験の合格者を対象に公開発表会(第2回公開発表会)を実施する。
- 博士論文予備審査会・博士論文審査会の審査員は、いずれも主査1名、副査3名で構成され、提出された博士論文及びその発表内容が審査基準(博士後期課程の教育・研究上の理念を満たしているかに加えて、①研究課題の客観的意義・独創性、②先行研究の調査、③研究方法の妥当性、④研究結果・考察の明確さ、⑤論文構成の整合性)を満たしているかを評価する。
ディプロマ・ポリシー
博士後期課程では、デザイン学分野における学術の理論及び技能の高度化を追究し、自立した研究者として、デザイン学に関連する課題や研究に取り組み、所定の単位を修めた上で博士論文の審査に合格し、以下の能力を備えた者に博士の学位を授与します。
- 自身の専攻分野の専門的知識・技能を中心としつつ、関連近隣分野の基礎的素養も修得し、幅広い見識から事象の本質を捉える「課題発見・分析・解決能力」。
- デザインの視点を通じて自主的・自立的に研究や調査、分析等を実践できる「研究遂行能力」。
- 国内外の専門家や研究者とのコミュニケーションを図りながら、広く社会全体を俯瞰し、「リーダーシップ」を発揮できる確かな「調整力」及び「指導力」。