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分野を超えた連携

summary

本学の特長、D×Nとは?

本学はD(デザイン)とN(看護)の両学部を併せ持つ大学です。その特長を生かし、両学問が連携・共同して「教育・研究・地域貢献」を行っています。本学の異分野連携により可能になる、人々の暮らしや社会に新たな価値を創造する活動を実践しています。これらの活動を「D×N(ディー・バイ・エヌ)」と呼び、デザインと看護の連携を表しています。

デザインと看護の連携をイメージしたロゴ

~デザインと看護の連携~

代表的な活動事例等

教育

〈学部教育〉
  • スタートアップ演習
  • 学部連携基礎論
  • 学部連携演習
  • 地域プロジェクト123
スタートアップ演習を受講する学生の様子
スタートアップ演習
学部連携演習を受講する学生の様子 
学部連携演習
〈研究科教育〉
  • 連携プロジェクト演習
  • 横断型連携特別演習

研究

  • ICTによる自己健康管理システムの開発
  • 空間アートによる療養効果の研究
  • 死産児出産の悲しみを癒す棺の開発
  • 転倒予防マットレスを用いた児童基礎活動力強化
自己健康管理システムのイメージ 
自己健康管理システム
空間アートの画像 
空間アート

地域貢献

  • 「まちの健康応援室」の運営
  • 各種サークルの地域イベント等への参加
  • 障がい者アート展などの企画・実施
  • 市民公開講座や専門職向け公開講座
まちの健康応援室のようす 
まちの健康応援室
地域イベントへの参加するようす 
地域イベントへの参加
 

D×N 連携科目

デザインと看護によるD×N の連携科目についてご紹介しています。

D×N 連携科目は4年間を通して行われます。
D×Nや地域を題材とし、時には実際にフィールドに出てプロジェクトに取り組む、実践的で貴重な学びの機会となっています。
ここでは1年次の「スタートアップ演習」と2年次の「学部連携基礎論」、3年次の「学部連携演習」を紹介します。

連携科目の流れ

教員が関わるプロジェクトに参加する自由科目

草原と林の自然の中で学生が学んでいる様子の写真
施設の廊下の展示物を観覧し歩いている様子の写真
グループディスカッション

スタートアップ演習(1年次)

「D×Nの連携」をテーマとしたプロジェクト活動を通じ、大学での学び方を身に付けるとともに、大学や地域という新しい舞台・環境に一日も早く慣れることを狙いとした演習です。

スタートアップ演習(1年次)の授業の流れ

スタートアップ演習(1年次)の課外学習の様子

学部連携基礎論(2年次)

2年次前期「学部連携基礎論」では、札幌市の各地域の特徴と課題をそれぞれの専門的視点から分析し、課題発見のプロセスや、相互の専門性や異分野連携に必要な基礎的知識・技術・態度を学び、3年次の学部連携演習に備えます。

学部連携演習(3年次)

デザイン学部と看護学部の3年次の学生が、相互の専門性を活かして地域の課題に取り組む実践型の授業です。札幌市南区の10地区を対象として現地で学び、様々な提案を行っていきます。

学部連携演習(3年次)の授業の流れ

学部連携演習(3年次)の発表のようす
 
 
 

Real Talk

学部の枠を超えて地域の課題を発見し、解決案を模索する実践的な授業「D×N 連携科目」。
互いの専門性を活かしながらその壁を取り払い、意見を交換することで、今までになかった視点を生み出します。また、教員と気軽にコミュニケーションをとれる環境や積極的な関わりあいも、学生たちの可能性を広げています。人と人がつながる札幌市立大学で生まれたもの、感じたことについて語り合ってもらいました。

学部を超えて、立場を超えて、人と人が関わり合う

デザイン×看護×学生×教員

人物紹介01人物紹介02

特別座談会

デザインと看護、感じたお互いの違い。違うからこそ見えてくる可能性

司会
札幌市立大学では、デザイン学部と看護学部の学生が一緒に取り組む授業、連携科目がありますが、そこで感じたことを聞かせてください。率直な意見、大歓迎です。

若本さん
札幌市南区の魅力や防災情報を盛り込んだマップを作った3年次の「学部連携演習」が、印象に残ってます。デザイン学部の皆さんはマップのデザインはもちろん、どうすれば人に見てもらえるかを考える力があると感じましたね。看護学部のぼくたちは、それはあまり得意ではありません。一方で、患者さんのお話を聞いたり、看護師同士のカンファレンスを練習した経験があるので、意見を取りまとめる力があるのは強みだと感じました。切磋琢磨しながらより良いものが作れたと思います。

若本さん写真

北村さん
印象に残っているのは1年次に行った最初の「スタートアップ演習」。デザイン学部の人たちの第一印象は、人を引き寄せるのがうまい! あれから3年経った今でも、連絡を取り合い、会う人も多いんです。短い付き合いでしたが、関わりは濃く、距離が縮まりました。フィールドワークは遠足のような雰囲気で、先生方も一緒に現地で写真を撮りました。そうした経験は、今でも大切な思い出です。キャンパスは離れていますが、強いつながりが持てます。

北村さん写真

原井先生
最初はお互いの緊張が伝わってきましたが、だんだん関係性を築いていく姿が見えました。看護はまず「根拠」、デザインはまず「アイデア」を重視するなど、話し合う過程でお互いの着眼点や考え方の違いを認識しながら理解を深め、絆が生まれていったのは良かったと思います。

原井先生写真

相馬さん
自分は今は大学院生ですが、学部生として連携科目を受けた時に、どちらの学部も「暮らし」という共通の発想があると気づきました。デザインの学生はどちらかと言うとアイデアの面白さが先行しがち。看護は現実的に可能かどうかや、身近な生活に結びつく提案を大切にしていた印象があります。ディスカッションする中で、そこを共有できた経験はとても貴重だったと思います。

川村さん
例えば街の写真を撮る授業では、看護学部の皆さんは花や町の暮らしが伝わるような写真を撮っていましたが、私たちはマンホールや道路標識など、デザイン要素のあるものを被写体にしていたんです。着眼点の違いは面白かったですね。

金子先生
キャンパスでは、顔を突き合わせていろいろな話ができる場面が意外に少ないものです。大学の中だけで専門的に知識を深めていくのではなく、他学部や地域のいろいろな人や考えに触れることで、発想の視野が広げられる連携科目は、貴重な経験です。例えば相手とのかかわりの中で自分のポジションや役割を捉えることができれば、デザインの学生であれば一般ユーザーが何を求めているのかが見えてくるかもしれません。この授業はそうした可能性や刺激を与えてくれる経験になります。

金子先生写真

どうしたら理解し合える?共感と言語化の大切さ

司会
連携科目を通じて、皆さんご自身の考えが変わったことはありますか?

北村さん
この夏に保健師の実習があり、運動をしている人はどれぐらいいるか、災害時に住民の方はどのように避難するかなど、担当になった地区を「暮らし目線」で踏査しました。地域を見て回るうちに、デザインとの連携を思い出し、連携科目は私が目指している保健師の活動そのものではないかと気づいたんです。どのように改善すれば住民の方の健康を導けるかという環境面のデザインにも、目を向けるようになりました。保健師は人の健康をみるのが仕事だと思っていましたが、地域を作っていくことも仕事だと理解できました。

相馬さん
連携科目が始まるまでは建築やデザインの勉強を中心に生活していましたが、他の分野の方と話す、それも専門性のある人と話すことで、デザインも看護も「暮らし」に密着しているものなんだと実感しましたね。

相馬さん写真

川村さん
デザインの学生同士で話をすると、どうしても感覚的な言葉が多くなります。それでもお互いを理解できるので、そのまま会話が続いてしまうんです。看護との連携で気づいたのは、伝わる言葉で会話しなければいけないこと。ある授業で、「いき」という言葉をテーマに取り組んださいには、デザインと看護では言葉の意味の捉え方が違い、お互いの認識をすり合わせるために30分以上もディスカッションを続けたんです。頭の中のイメージを言語化することの大切さを知りました。

川村さん写真

若本さん
看護師や医師など専門職の方と話す時は、専門用語を使ったほうが伝わりやすいし、スムーズに進みます。しかし、患者さんと話をする時は、分かりやすいワードを使って説明することが大切です。日頃から、専門用語を分かりやすく、噛み砕いて伝えることを心がけています。

若本さん
金子先生 相手に正しく伝えるためには、自分自身がよく理解することが大切です。また、「言語化しにくい何か」を共有するためには、例えばスケッチや模型などにすることも共感や理解につながるでしょう。

若本さん
患者さんは病院生活に不安を持っています。その気持ちに共感できる感覚を育てるには、先生方とたくさん交流することも大きく影響してくると思います。

授業以外でも先生たちと交流相談事も気軽にできる!

司会
教員と学生の間では、どのような交流がありますか?

原井先生
授業や実習でも多くの交流がありますが、教員の研究に学生のみなさんが積極的に協力できる空気があります。例えばこの夏、北村さんやデザイン学部の教員たちと幌加内町へ行き、高齢者さんの健康啓発イベントを開きました。

北村さん
多くの人が集まり、皆さんをどのように案内するかに苦戦しました。デザイン学部の先生からは、会場の人の流れをスムーズにするデザインの視点からアドバイスしていただき、新しい発見がありました。

相馬さん
大学院では研究室の先生だけでなく、他の先生ともよく会話をします。以前、金子先生に厚真町の元宿舎をリノベーションして、サテライトオフィスや地域の人に開放する空間に変えるプロジェクトに誘っていただきました。先生の指導の下、宿舎の内装をオフィスとして使いやすいようにデザイン。壁紙を貼ったり、床にフローリングを打ったりしました。

金子先生
せっかくだったら厚真町らしいものを作ろうと思い、お米の産地らしく、もみ殻を床に敷いてフローリングを貼りました。資材の一部は、地元の建設会社が古民家改修の際に出た廃材を提供してくれました。

相馬さん
空いた時間には研究の話はもちろん、今後の進路の話や思い出話などいろいろな話が出来たのもいい思い出です。

川村さん
私も大学院のゼミの先生とはよくマンツーマンで話しますし、ゼミ以外の先生との交流もたくさんあります。私は木材を使ったプロダクトデザインを研究しており、他のゼミの先生の授業に参加して木材のことを教えていただいたり、学会に誘っていただいたりしました。コロナ禍以降、大学では学生や教員同士で情報を共有するためにチャット機能が使えるツールでコミュニケーションの機会が多くなり、より交流の幅が広がったと思います。

若本さん
ぼくも先生とは状況に応じてチャットでやり取りすることがあります。作業の進捗を気軽に伝えられて、メールよりも距離が近い会話ができるようになったかなと思います。YOSAKOIチームの代表として、顧問の先生と部活や課外活動のやり取りなどもしています。

北村さん
1年生の時は緊張してメールを打っていましたが、今は先生との距離が縮まったと思います。特に実習期間は大変お世話になりました。

川村さん
オンライン授業で質問をするのにハードルを感じることもあると思いますが、先生と日頃からコミュニケーションを取っていると、気負いなく会話でるようになります。また、チャットを使えるようになったおかげで、進捗報告や資料を見ていただきたい時に連絡がスムーズにできるようになりました。

人とのつながりから得た気づきが目標に向かう力を生む

司会
みなさんの将来の目標は?

川村さん
生活の中にある身近な機械や家電などのプロダクトデザインをしたいと思っています。一般の方が使う製品であれば、フィードバックも耳に入ってきやすいのでやりがいがありそうです。大学では木工室に通い詰めたのですが、常駐されているプロの職員の方から指導していただいたり、いろいろな先生からアドバイスをいただける環境で学べたことが自分の力になりました。

相馬さん
厚真町での研究のように、自分の身近な環境をもとに考えていけるカリキュラムが組まれているのが、本学の魅力の一つだと思います。ぼくは母に家を建てたいと思い、建築に進みましたが、今は都市の再設計といった社会的な流れの中で建築物はどうあるべきなのか、街のありかたやデザインについて考えていきたいと思っています。

若本さん
ドクターヘリに乗るフライトナースを目指しているので、就職して経験を積みながらその資格を取りたいと思っています。これまでの実習では患者さんの意思を尊重する大切さを強く感じました。患者さんが意思を伝えにくい状態でも、自分の観察でそれを汲み取る力を養っていきたいです。

北村さん
親が病気になった際に運よく早期発見できたという体験があるのですが、私が育った地域では病院へ行くのに何時間もかかるため、発病してからでは手遅れになってしまう人もいることに気づかされました。悲しい思いをする人を減らしたいと思い、病気を予防する保健師を目指しています。実習では、重湯しか飲めない状態の患者さんが
食事できるようになるなど、人間の力を感じた多くの経験もモチベーションにつながっています。人の力になれるよう、これからも学び続けていきたいと思います。